統計検定2級でよく出るのが、
第一種の誤り(α)/第二種の誤り(β)/検出力(1−β) の関係です。
p値や棄却の判断はできても、
「αは何の確率?」「βはいつの確率?」「検出力って何が嬉しい?」
が曖昧だと、文章問題で落としやすくなります。
この記事では、用語を丸暗記せずに、1枚の図のイメージとして理解できるように整理します。
この記事で分かること
- 第一種の誤り(α)と第二種の誤り(β)の意味
- 検出力(power = 1−β)とは何か
- αを小さくすると何が起きるか(トレードオフ)
- 典型問題で迷わない判断の型
まず結論:3つの定義
仮説検定では、次の2つの状態と2つの判断が組み合わさります。
- 真実(現実):H0が本当 / H0が本当ではない(H1が本当)
- 判断(検定結果):H0を棄却する / H0を棄却しない(棄却できない)
このとき、
- 第一種の誤り(α):H0が本当なのに、H0を棄却してしまう確率
- 第二種の誤り(β):H0が本当ではないのに、H0を棄却できない確率
- 検出力(power = 1−β):H0が本当ではないときに、正しく棄却できる確率
1枚で覚える(最重要の表)
これだけ覚えると、文章問題が一気に楽になります。
| 現実 / 判断 | H0を棄却する | H0を棄却しない |
|---|---|---|
| H0が本当 | 第一種の誤り(α) | 正しい判断 |
| H0が本当ではない | 正しい判断(検出力 1−β) | 第二種の誤り(β) |
問題(類似問題①:用語の確認)
ある検定において「第一種の誤り」とはどれか。
A. H0が正しいのに棄却してしまう
B. H0が誤りなのに棄却してしまう
C. H0が正しいのに棄却できない
D. H0が誤りなのに棄却できない
解答
A
解説
第一種の誤りは 「やってはいけない誤検出(false positive)」 のこと。
つまり “本当は問題ないのに、問題ありと判定” です。
問題(類似問題②:検出力)
ある検定の検出力(power)とは何か。
A. 第一種の誤りの確率
B. 第二種の誤りの確率
C. H0が誤りのときにH0を棄却できる確率
D. p値が0.05未満になる確率
解答
C
解説
検出力は 1−β。
「差が本当にある(H0が誤り)」状況で、それを見逃さずに棄却できる確率です。
αとβのトレードオフ(頻出)
ここが統計検定2級で狙われます。
αを小さくすると何が起きる?
- 棄却しにくくなる(慎重になる)
- 第一種の誤り(α)は減る
- しかし、差があるのに棄却できないことが増えやすい
→ 第二種の誤り(β)が増えやすい
→ 検出力(1−β)は下がりやすい
まとめ:αを下げると「見逃し」が増えやすい(条件が同じなら)
検出力を上げる方法(暗記でOKな3つ)
検出力(1−β)を上げたいときの王道は次の3つです。
- 標本サイズ n を増やす(一番効く)
- ばらつき(分散)が小さい測定・条件にする
- 有意水準 α を大きくする(ただし第一種の誤りが増える)
この3つは、文章問題でそのまま問われやすいです。
よくあるミス(ここが得点源)
- α=「H0が正しい確率」と勘違い
→ αは「H0が本当のときに誤って棄却する確率」。 - β=「p値が大きい確率」と思い込む
→ βは「H0が誤りのときに棄却できない確率」。p値そのものの定義ではない。 - “棄却できない”=H0が正しいと断定
→ 断定ではなく「証拠不足」。β(見逃し)とも関連する。 - 検出力を上げたいのにαを下げる
→ 条件が同じなら検出力は下がりやすい。
追加練習(○×)
- αは「H0が正しいのに棄却してしまう確率」である → ○
- 検出力は「H0が誤りのときに棄却できる確率」である → ○
- nを増やすと一般に検出力は上がる → ○
- αを小さくすると一般に検出力は上がる → ×(下がりやすい)
まとめ
- 第一種の誤り α:本当はH0なのに棄却(誤検出)
- 第二種の誤り β:本当はH1なのに棄却できない(見逃し)
- 検出力 1−β:差があるときに見逃さず棄却できる確率
- αとβにはトレードオフがあり、検出力は n が最重要レバー
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