F分布とは?形・自由度・使い方をわかりやすく解説【統計検定2級】

分布

統計検定2級では、F分布 も重要な分布の1つです。
ただ、最初は

  • t分布やχ²分布と何が違うのか
  • 何のために使うのか
  • 自由度が2つあるのはなぜか

が分かりにくいです。

F分布は、特に

  • 分散分析(ANOVA)
  • 回帰分析のF検定
  • 分散の比の検定

で登場します。

この記事では、

  • F分布の意味
  • 形と特徴
  • 自由度の考え方
  • 統計検定2級での使い方

を整理します。


この記事で分かること

  • F分布とは何か
  • F分布の形と特徴
  • 自由度が2つある理由
  • χ²分布との関係
  • 統計検定2級での主な使い道

F分布とは?

F分布は、2つのχ²分布を、それぞれの自由度で割って比を取ったものの分布です。

たとえば、独立なχ²分布

U ~ χ²(df1)
V ~ χ²(df2)

があるとき、

(U / df1) / (V / df2)

F分布 に従います。

つまり、F分布はひとことで言うと、

「2つのばらつきの大きさを比べるための分布」

です。


F分布のイメージ

F分布には、次の特徴があります。

  • 0以上の値しか取らない
  • 左右対称ではない
  • 右に長く尾を引く
  • 自由度によって形が変わる

χ²分布と同じく、負の値を取らない右に歪んだ分布です。
ただし、F分布は “比” を表すので、特に 1付近 が基準として重要になります。



F分布表

α=0.05(5%)

分母の自由度 df2 / 分子の自由度 df11234567891012152024304060120
1161.448199.500215.707224.583230.162233.986236.768238.883240.543241.882243.906245.950248.013249.052250.095251.143252.196253.253
218.51319.00019.16419.24719.29619.33019.35319.37119.38519.39619.41319.42919.44619.45419.46219.47119.47919.487
310.1289.5529.2779.1179.0138.9418.8878.8458.8128.7868.7458.7038.6608.6398.6178.5948.5728.549
47.7096.9446.5916.3886.2566.1636.0946.0415.9995.9645.9125.8585.8035.7745.7465.7175.6885.658
56.6085.7865.4095.1925.0504.9504.8764.8184.7724.7354.6784.6194.5584.5274.4964.4644.4314.398
65.9875.1434.7574.5344.3874.2844.2074.1474.0994.0604.0003.9383.8743.8413.8083.7743.7403.705
75.5914.7374.3474.1203.9723.8663.7873.7263.6773.6373.5753.5113.4453.4103.3763.3403.3043.267
85.3184.4594.0663.8383.6873.5813.5003.4383.3883.3473.2843.2183.1503.1153.0793.0433.0052.967
95.1174.2563.8633.6333.4823.3743.2933.2303.1793.1373.0733.0062.9362.9002.8642.8262.7872.748
104.9654.1033.7083.4783.3263.2173.1353.0723.0202.9782.9132.8452.7742.7372.7002.6612.6212.580
124.7473.8853.4903.2593.1062.9962.9132.8492.7962.7532.6872.6172.5442.5052.4662.4262.3842.341
154.5433.6823.2873.0562.9012.7902.7072.6412.5882.5442.4752.4032.3282.2882.2472.2042.1602.114
204.3513.4933.0982.8662.7112.5992.5142.4472.3932.3482.2782.2032.1242.0822.0391.9941.9461.896
244.2603.4033.0092.7762.6212.5082.4232.3552.3002.2552.1832.1082.0271.9841.9391.8921.8421.790
304.1713.3162.9222.6902.5342.4212.3342.2662.2112.1652.0922.0151.9321.8871.8411.7921.7401.683
404.0853.2322.8392.6062.4492.3362.2492.1802.1242.0772.0031.9241.8391.7931.7441.6931.6371.577
604.0013.1502.7582.5252.3682.2542.1672.0972.0401.9931.9171.8361.7481.7001.6491.5941.5341.467
1203.9203.0722.6802.4472.2902.1752.0872.0161.9591.9101.8341.7501.6591.6081.5541.4951.4291.352

α=0.025(2.5%)

分母の自由度 df2 / 分子の自由度 df11234567891012152024304060120
1647.789799.500864.163899.583921.848937.111948.217956.656963.285968.627976.708984.867993.103997.2491001.4141005.5981009.8001014.020
238.50639.00039.16539.24839.29839.33139.35539.37339.38739.39839.41539.43139.44839.45639.46539.47339.48139.490
317.44316.04415.43915.10114.88514.73514.62414.54014.47314.41914.33714.25314.16714.12414.08114.03713.99213.947
412.21810.6499.9799.6059.3649.1979.0748.9808.9058.8448.7518.6578.5608.5118.4618.4118.3608.309
510.0078.4347.7647.3887.1466.9786.8536.7576.6816.6196.5256.4286.3296.2786.2276.1756.1236.069
68.8137.2606.5996.2275.9885.8205.6955.6005.5235.4615.3665.2695.1685.1175.0655.0124.9594.904
78.0736.5425.8905.5235.2855.1194.9954.8994.8234.7614.6664.5684.4674.4154.3624.3094.2544.199
87.5716.0595.4165.0534.8174.6524.5294.4334.3574.2954.2004.1013.9993.9473.8943.8403.7843.728
97.2095.7155.0784.7184.4844.3204.1974.1024.0263.9643.8683.7693.6673.6143.5603.5053.4493.392
106.9375.4564.8264.4684.2364.0723.9503.8553.7793.7173.6213.5223.4193.3653.3113.2553.1983.140
126.5545.0964.4744.1213.8913.7283.6073.5123.4363.3743.2773.1773.0733.0192.9632.9062.8482.787
156.2004.7654.1533.8043.5763.4153.2933.1993.1233.0602.9632.8622.7562.7012.6442.5852.5242.461
205.8714.4613.8593.5153.2893.1283.0072.9132.8372.7742.6762.5732.4642.4082.3492.2872.2232.156
245.7174.3193.7213.3793.1552.9952.8742.7792.7032.6402.5412.4372.3272.2692.2092.1462.0802.010
305.5684.1823.5893.2503.0262.8672.7462.6512.5752.5112.4122.3072.1952.1362.0742.0091.9401.866
405.4244.0513.4633.1262.9042.7442.6242.5292.4522.3882.2882.1822.0682.0071.9431.8751.8031.724
605.2863.9253.3433.0082.7862.6272.5072.4122.3342.2702.1692.0611.9441.8821.8151.7441.6671.581
1205.1523.8053.2272.8942.6742.5152.3952.2992.2222.1572.0551.9451.8251.7601.6901.6141.5301.433

自由度が2つあるのはなぜ?

F分布では、自由度が 2つ 出てきます。

  • 分子の自由度
  • 分母の自由度

です。

これは、F分布が

(分子側のχ² / 分子自由度) ÷ (分母側のχ² / 分母自由度)

という形をしているからです。

つまり、
分子にも分母にも、それぞれ別の自由度があるため、F分布は 自由度が2つ必要になります。



問題(類似問題①)

F分布の特徴として適切なのはどれか。
A. 負の値も取る
B. 左右対称である
C. 0以上の値を取り、自由度が2つある
D. 自由度は1つだけである


解答

C


解説

F分布は、χ²分布の比から作られるため、

  • 値は 0以上
  • 左右対称ではない
  • 自由度は 2つ

という特徴があります。


F分布は何に使うのか?

統計検定2級での代表的な使い道は次の通りです。

分散分析(ANOVA)

複数の平均を比較するときに、
「群間のばらつき」と「群内のばらつき」の比を考えます。
この比がF分布に従います。

回帰分析のF検定

回帰式全体が有意かどうかを見るときに、
F統計量を使います。

分散比の検定

2つの母分散の大きさを比較するときにも、F分布が使われます。


F分布と「比」の感覚

F分布は、ばらつきの比を見ています。

たとえば、

  • 分子と分母のばらつきが同じくらい
    → 比は 1に近い
  • 分子のばらつきの方がかなり大きい
    → 比は 1より大きい

このため、F分布では
「1よりかなり大きい値」が出ると、差がありそうだと考える
のが基本です。


χ²分布との関係

F分布は、χ²分布と非常に深くつながっています。

  • χ²分布:ばらつきそのもの
  • F分布:ばらつき同士の比

という関係で見ると理解しやすいです。


問題(類似問題②)

F分布が使われる代表的な場面として最も適切なのはどれか。
A. 母平均の1標本t検定
B. 2群の比率の検定
C. 分散分析で群間変動と群内変動を比べるとき
D. 正規分布の標準化


解答

C


解説

分散分析では、

  • 群間変動
  • 群内変動

の比を考えます。
この比がF分布に従うため、F分布が使われます。


正規分布・t分布・χ²分布・F分布の違い

ここは整理して覚えると強いです。

分布 主な特徴 値の範囲 自由度 代表的な用途
正規分布 左右対称 負も正も取る なし z検定、標準化
t分布 左右対称、裾が厚い 負も正も取る 1つ t検定、母平均の推定
χ²分布 右に歪む 0以上 1つ χ²検定、母分散
F分布 右に歪む 0以上 2つ 分散分析、回帰のF検定

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統計検定2級での見方

現時点では、F分布について次の4点を押さえれば十分です。

  • 0以上の値しか取らない
  • 右に歪んだ分布
  • 自由度が2つある
  • 分散分析や分散比の検定で使う

特に、
「ばらつきの比を見る分布」
と押さえておくと理解しやすいです。


よくあるミス

  1. F分布を左右対称だと思ってしまう
    → F分布は右に歪んでいます。
  2. 自由度が1つだと思ってしまう
    → 分子と分母で自由度が2つあります。
  3. t分布やχ²分布と使いどころを混同する
    → F分布は主に「比」に使います。
  4. F値は常に1を超えるから有意だと思ってしまう
    → F値が1より大きくても、それが十分大きいかは自由度と有意水準で判断します。


まとめ

  • F分布は、2つのχ²分布を自由度で割って比を取った分布
  • 値は 0以上
  • 右に歪んだ分布
  • 自由度が2つある
  • 分散分析や回帰分析のF検定で重要

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