統計検定2級で頻出の t検定 や 母平均の区間推定 では、t分布表 を読む問題がよく出ます。
ただ、最初は
- 自由度はどこを見るのか
- 上側確率とは何か
- 片側検定と両側検定でどう使い分けるのか
で迷いやすいです。
このページでは、t分布表を見ながら問題が解ける状態を目標に、
- 自由度の意味
- 表の読み方
- 検定と区間推定での使い方
- よくあるミス
をまとめます。
この記事で分かること
- t分布表が何を表しているか
- 自由度の見方
- 上側確率の読み方
- 片側検定・両側検定・信頼区間での使い方
- 統計検定2級でよく使う代表値
t分布とは?
t分布は、母分散が未知のときに母平均を扱う場面で使う分布です。
特に、標本サイズが小さいときには正規分布ではなく、t分布を使うのが基本です。
t分布の特徴は、自由度によって形が変わることです。
自由度が小さいと裾が厚く、自由度が大きくなると標準正規分布に近づきます。
このページのt分布表が表しているもの
このページでは、次の値を載せた t分布表を想定します。
P(T ≥ t) = α
つまり、
上側確率が α になる t の値
です。
たとえば、自由度10で上側確率0.05なら、
t = 1.812
のように読みます。
これは、
P(T ≥ 1.812) = 0.05
という意味です。
t分布表の見方
t分布表では、通常
- 行:自由度
- 列:上側確率 α
を見ます。
たとえば、
- 自由度 = 10
- 上側確率 = 0.05
なら、
自由度10の行 と 0.05の列 の交点を見ます。
そこで読んだ値が、求める t値です。
自由度とは?
t分布表を読むうえで一番大事なのが 自由度 です。
よく使う自由度は次の通りです。
1標本t検定
自由度 = n - 1
対応のあるt検定
差を取って1標本t検定にするので、
自由度 = n - 1
2標本t検定(等分散を仮定)
自由度 = n1 + n2 - 2
前の記事でも触れたように、ここを間違えると表の読み取りも全部ずれます。
t分布表(代表的な上側確率)
以下にt分布表を示します。

| 自由度 | 0.10 | 0.05 | 0.025 | 0.01 | 0.005 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 3.078 | 6.314 | 12.706 | 31.821 | 63.657 |
| 2 | 1.886 | 2.920 | 4.303 | 6.965 | 9.925 |
| 3 | 1.638 | 2.353 | 3.182 | 4.541 | 5.841 |
| 4 | 1.533 | 2.132 | 2.776 | 3.747 | 4.604 |
| 5 | 1.476 | 2.015 | 2.571 | 3.365 | 4.032 |
| 6 | 1.440 | 1.943 | 2.447 | 3.143 | 3.707 |
| 7 | 1.415 | 1.895 | 2.365 | 2.998 | 3.499 |
| 8 | 1.397 | 1.860 | 2.306 | 2.896 | 3.355 |
| 9 | 1.383 | 1.833 | 2.262 | 2.821 | 3.250 |
| 10 | 1.372 | 1.812 | 2.228 | 2.764 | 3.169 |
| 11 | 1.363 | 1.796 | 2.201 | 2.718 | 3.106 |
| 12 | 1.356 | 1.782 | 2.179 | 2.681 | 3.055 |
| 13 | 1.350 | 1.771 | 2.160 | 2.650 | 3.012 |
| 14 | 1.345 | 1.761 | 2.145 | 2.624 | 2.977 |
| 15 | 1.341 | 1.753 | 2.131 | 2.602 | 2.947 |
| 16 | 1.337 | 1.746 | 2.120 | 2.583 | 2.921 |
| 17 | 1.333 | 1.740 | 2.110 | 2.567 | 2.898 |
| 18 | 1.330 | 1.734 | 2.101 | 2.552 | 2.878 |
| 19 | 1.328 | 1.729 | 2.093 | 2.539 | 2.861 |
| 20 | 1.325 | 1.725 | 2.086 | 2.528 | 2.845 |
| 21 | 1.323 | 1.721 | 2.080 | 2.518 | 2.831 |
| 22 | 1.321 | 1.717 | 2.074 | 2.508 | 2.819 |
| 23 | 1.319 | 1.714 | 2.069 | 2.500 | 2.807 |
| 24 | 1.318 | 1.711 | 2.064 | 2.492 | 2.797 |
| 25 | 1.316 | 1.708 | 2.060 | 2.485 | 2.787 |
| 26 | 1.315 | 1.706 | 2.056 | 2.479 | 2.779 |
| 27 | 1.314 | 1.703 | 2.052 | 2.473 | 2.771 |
| 28 | 1.313 | 1.701 | 2.048 | 2.467 | 2.763 |
| 29 | 1.311 | 1.699 | 2.045 | 2.462 | 2.756 |
| 30 | 1.310 | 1.697 | 2.042 | 2.457 | 2.750 |
| 40 | 1.303 | 1.684 | 2.021 | 2.423 | 2.704 |
| 60 | 1.296 | 1.671 | 2.000 | 2.390 | 2.660 |
| 120 | 1.289 | 1.658 | 1.980 | 2.358 | 2.617 |
| ∞ | 1.282 | 1.645 | 1.960 | 2.326 | 2.576 |
使い方の例
例1
自由度10、上側確率0.05の t値を求めます。
表の
- 行:10
- 列:0.05
の交点を見ると、
t = 1.812
です。
これは、
P(T ≥ 1.812) = 0.05
を意味します。
例2
自由度10、両側5%検定の臨界値を求めます。
両側5%検定では、左右に 2.5% ずつ分けるので、
表では 上側確率 0.025 の列を見ます。
- 行:10
- 列:0.025
の交点より、
t = 2.228
です。
したがって、臨界値は
±2.228
となります。
片側検定と両側検定での使い分け
ここは非常に重要です。
片側5%検定
- 上側確率 0.05 の列を見る
両側5%検定
- 左右に2.5%ずつ分けるので
- 上側確率 0.025 の列を見る
つまり、両側検定では有意水準を半分にして表を見るのがポイントです。
信頼区間での使い方
95%信頼区間でも、左右に2.5%ずつ残すので、
使うのは 上側確率0.025 の列です。
たとえば自由度10なら、
t = 2.228
を使って
標本平均 ± 2.228 × 標準誤差
という形で区間を作ります。
自由度が大きいとどうなるか
自由度が大きくなると、t分布は標準正規分布に近づきます。
表の最後の ∞ の行を見ると、
- 0.05 → 1.645
- 0.025 → 1.960
など、正規分布表で使う値に近づいていることが分かります。
統計検定2級でよく使う代表値
頻出の値だけ抜き出すと、次のようになります。
| 場面 | 見る列 | 例(自由度10) | 意味 |
|---|---|---|---|
| 5%片側検定 | 0.05 | 1.812 | 上側5% |
| 5%両側検定 | 0.025 | 2.228 | 片側2.5% |
| 99%信頼区間 | 0.005 | 3.169 | 片側0.5% |
| 95%信頼区間 | 0.025 | 2.228 | 片側2.5% |
よくあるミス
- 両側5%検定で 0.05 の列を見てしまう
→ 両側では左右に分けるので、見るのは 0.025。 - 自由度を間違える
→ 1標本なら n−1、2標本等分散なら n1+n2−2。 - t分布表と正規分布表を混同する
→ t分布表は自由度ごとに値が変わります。 - 自由度が大きいのに必ずt表を使う/必ずz表を使うと決めつける
→ 問題設定に従うのが基本です。
追加練習
問1
自由度8、片側5%検定の臨界値はいくらか。
解答
表の自由度8、上側確率0.05より
t = 1.860
問2
自由度12、95%信頼区間で使う t値はいくらか。
解答
95%信頼区間では片側2.5%なので、
自由度12、上側確率0.025より
t = 2.179
問3
自由度が非常に大きいとき、t分布表の値はどの分布に近づくか。
解答
標準正規分布
まとめ
- t分布表は 自由度 と 上側確率 を使って読む
- 片側5%なら 0.05列
- 両側5%や95%信頼区間なら 0.025列
- 自由度が大きくなると標準正規分布に近づく
- t検定・区間推定では非常に重要な表
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